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2023/10/03

住んでわかる暮らしやすさ

中川淳一郎

今回は、「住んでみて分かるその街の意外な強さ」「『暮らしやすさ』の重要性」について書いてみます。対外的イメージとは異なる住民ならでは、の感覚です。これらのことは各自治体や観光協会、移住関連部署は表立ってアピールしないかもしれませんが、住民としての実感を各自治体は抽出し、情報発信する必要があるでしょう。どんな些細なことでも構いません。

 

今や生活になくてはならない通販サイトですが、佐賀県唐津市在住の私はその恩恵を存分に受けています。頻度は少ないものの、突然「あちゃー! 今週、日刊ゲンダイの書評が締め切りだった!」なんてことがあるとアマゾンにアクセス。本は翌日届いてくれます。金曜日が締め切りなのですが、火曜日に気付けば水曜日に読み始められる。木曜日に気付いてしまったら、そこはKindleで買うしかない。とはいっても、紙で読みたい気持ちもあるわけで、そんな時、本当に唐津で良かった、と思うのです。

 

渋谷を拠点としていた時とほぼ同じスピードで商品は配送してもらえます。というのも、いわゆる「ハブ(中心)」となるアマゾンの物流拠点が佐賀県鳥栖市にあるからなのです。アマゾンの「フルフィルメントセンター(FC)」は中核施設で、そこから各地の「デリバリーステーション(DS)」に配るわけですね。鳥栖の場合は、両方の機能を持っているため、唐津にも早く来るのです。鳥栖FCはまさに一つしかない九州・沖縄のアマゾンの中心地なのです。

 

佐賀県の場合、「福岡に近く、アマゾンがすぐ届く」という強みがあります。皆さんの県でも必ずその手の生活を充実させてくれたり、利便性の高いものはあるでしょう。「温泉がタダ」「小さな街なのになぜか新幹線が停まる」など様々あります。

 

私が個人的に羨ましいと思ったのが、「湧き水を自由に汲める」場所です。これは「町」や「市」単位になってはきますが、こうした住環境にいる人はミネラルウォーターを買う必要もなければ、ましてやウォーターサーバーなんて不要。一度に18リットルぐらい水を汲んで、それを車で家まで運んでしまえば数日持つわけです。

 

私は東京では渋谷区富ヶ谷に住むのが一番良かったです。渋谷といえば遊びや仕事のために行く場所というイメージがありますが、「住む場所として東京都内で経験したどの街よりもいい」という結論になりました。4つ理由を挙げます。

 

◆飲み会が頻繁に開催される渋谷駅は徒歩20分。同様に新宿駅も根性出せば50分で着く。

◆東京メトロ千代田線が通っているため、山手線内の主要駅への移動がとんでもなくラク

◆明治神宮と代々木八幡宮と東大駒場キャンパスがあるため、意外と緑が多い

◆業務用スーパーである「肉のハナマサ」が24時間営業

 

こんなことが利点だったのですが、住民が心から気に入っている住環境についてバシバシと意見を募ると、新たなる切り口でPRができるようになるかもしれません。今や自治体同士の勤労世帯の奪い合い。遠くから来てもらうだけでなく、近隣の自治体から奪うことでさえ重要なので、「暮らしやすさ」のアピールは必須といえましょう。「18時を過ぎると値下げシールを貼りまくる商店街」とか、私にとっては最大のアピールポイントになります。

 

中川淳一郎

1973年東京都立川市出身。1997年に博報堂に入社し、CC局(現PR局)に配属される。2001年に退社し無職を経てフリーライターに。以後、雑誌テレビブロスの編集を経て2006年からネットニュース編集者に。2020年8月31日をもって「セミリタイア」をし、11月1日から佐賀県唐津市に引っ越す。2023年2月いったん唐津市を離れ、現在タイ・バンコクにてひっそりと暮らしている。

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